クレーマーに遭遇
ホテルのフロントとして働いている私は、夜勤をする機会も多い。
ホテルの場所が日本でも有数のオフィス街でもあるので、ビジネスマンが主にターゲットである。
交通の便が良いおかげか、仕事帰りに泊まるお客も多く、チェックインの時間も観光地のホテルに比べればかなり遅くの時間に集中する。
深夜ともなると酔っ払いも多い。大抵は理性を失くすほど飲む人は少なく、赤ら顔で陽気になっているケースの方が多い。
対応する分にもそういったお客であれば何ら問題ないのだが、飲みすぎて理性を失ったお客はクレーマーに変質する危険性も秘めている。
つい先日も、マスコミ関係者と名乗るチェックイン済みのお客が、深夜に突然電話をかけてきた。
かなり酔っていることは電話越しでも窺い知れたが、既にチェックインしているにも関わらずホテルの場所がわからないので迎えに来いと理不尽な要望をしてきた。
しかもなぜか逆ギレ気味。酔っ払いの相手は慣れていないわけではないのだが、電話口でわけのわからない罵詈雑言を20分以上も言い出し、切らせてももらえない。
気圧された私は、つい相手の要求どおり迎えに行くと伝えてしまった。
連絡を取るために携帯番号と名前を教えろとまで言い出し、名前はともかく流石に私個人の携帯番号を教えるのには躊躇されたので、その日一緒にシフトインしていた夜勤スタッフに相談し代わりに迎えに言ってもらった。
ホテルに戻ってきてからも、私や他のスタッフを呼び出しフロントの前で言いがかりを言っては怒鳴りつける。責任者を呼べの一点張りだ。
早朝近くまで拘束されたので、さすがに警察を呼ぶも若い警察官だったため返って逆効果。
業務に支障をきたすくらいの大事になってしまった。
結局、責任者に来てもらい、上司らが来る前に一寝入りしたお客は冷静さを取り戻しつつあったのか、その後は話し合いがもたれた。
正直、私含めその日の夜勤スタッフの疲労はかなりのものだった。
マスコミってそんなに傲慢なのかという不信感だけ芽生えた後味の悪い事件だった。
酔っ払って理性を失うくらいだと、相当飲んでいたのだろう。現代はストレス社会だ。
普段は温厚な人とて、酒に呑まれればこういった厄介なことになってしまうほど。
年末年始にかけて、飲む機会も増えてくるこの時期。
酒を飲んで日頃のストレスを解消するのは一向に構わないが、他人に迷惑をかけないようほどほどにしてほしいものだ。
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